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円順列とは?【考え方や例題を図を使いながらわかりやすく説明】

円順列は順列の計算方法の一つです。
ただ、円順列には「回して同じ並べ方になるものは同じとみなす」という厄介な性質があります。
この記事では円順列の考え方と例題を、図を使いながらわかりやすく説明していきます。

コツを掴めば意外と簡単!
順列の考え方も使うので「順列ってなんだっけ?」という人はコチラの記事もあわせて御覧ください!


円順列とは



…テンション下がるぜ



あら?朝からテンション低いわね



昨日中華料理屋に行ったんだけどさ…回転テーブルあるじゃない?上流の方でほとんど食べられてさ…あんまり食べれなかったんだよね



なるほど、ざまぁ…ざんねんだったわね



もっと北京ダック食べたかったぜ…ピータンしか回ってこなかったわ



(北京ダックと…ピータン?)


ということで、円順列です。
あの回転テーブル、ぐるぐる回っても、置いてある料理の並び順が変わるわけではありませんよね?
数学の円順列も基本的にこの考え方をしていきます。
つまり「回して同じ並びとなるものは同じものとみなそう」ということです。


円順列の計算方法



考え方を説明する前に、先に円順列の計算方法を載せておきます
\(n\)個のモノを円状に並べる並べ方(回して同じ並びとなるものは同じとみなす)は
\((n-1)!\)通り



え…なんかメチャクチャ簡単じゃないですか。\(n\)個から1つ減らして階乗の計算すればいいんでしょ?意味はよくわかりませんけど…



考え方まで理解しておくと、応用問題のときも立式しやすいので、考え方も押さえておきましょう。
考え方.「円順列はひとつ固定する」
円順列を考えるときに一番問題になるのは「回る」ことです。
それなら「固定しちゃえばいいじゃない」というのが一番わかりやすい考え方です。


固定した上で、他のモノを順列として計算します。





個人的には固定した横を切って1列に並べ直すイメージが好きです。
おまけ.同じとみなせる円順列を一つにまとめる
同じとみなせる円順列を一つにまとめる、という考え方もできます。
\(n\)個のモノを円形に並べるときに、何も考えずに並べる並べ方は\(n!\)通りです。


その中で、回して同じとみなせる並べ方はそれぞれ\(n\)パターンあります。





\(n\)個のモノを並べて回転させたら、\(n\)回、回転させられますよね。
それぞれ\(n\)パターン、同じとみなせる並べ方があるはずで、それらを全て合わせて数えたら\(n!\)通りあるはずです。
ということで、逆に「それぞれの\(n\)パターン→1パターン」にまとめればいいので、計算としては\(n!\)通りを\(n\)で割ればよいことになります。
\(\displaystyle \frac{n!}{n} = \frac{n \cdot (n-1)!}{n}=(n-1)! \)


この考え方も\(C\)や同じものを含む順列の計算をするときなどに重要なのですが、とりあえず円順列を解きたければ「固定」の考え方がわかりやすいのでそっちをオススメします。


円順列の例題



いくつか例題を出しておきましょう!
例1.\(8\)人が円卓に座る座り方は何通りあるか?ただし、回転して同じ座り方となる座り方は同じものとする。
解答はコチラ!
上記の考え方にしたがって計算すればOKです!
8人のうち、誰か1人を固定(焦点当て)します。
すると、他の7人を並べ方を考えればいいので、\(7! = 7 \cdot 6 \cdot 5 \cdot 4 \cdot 3 \cdot 2 \cdot 1 = 5040\)(通り)…(答)
例2.子ども2人、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんの6人でレストランに行った。次のように円卓に座る座り方は何通りあるか?ただし、回転して同じ座り方となる座り方は同じものとする。
(1) 子ども2人が隣り合うように座る座り方。
(2) お父さん、お母さんが向かい合うように座る座り方。
解答はコチラ!
コチラの記事でも説明しましたが、場合の数・確率は条件のあるものから考えていきます。



数学に限らず、世の中の問題は条件のあるものから考えるのが鉄則です!
特に円順列の場合は、そもそも「1つ固定する」ことでその1つを特別扱いしているので、条件のあるモノを固定に使ったらスムーズに立式できます。
(1) 条件のある人は「子ども2人」なので、この子ども2人をまとめて1組として固定しちゃいます。
すると、並び方は他の4人を考えればよいので\(4!\)通り。
ただし、それぞれの並び方で子ども2人の並び方も考えないといけないので、\(2!\)通りを掛けないといけません。


よって、\(4! \times 2! = 24 \times 2 = 48\)(通り) …(答)
(2) 条件のある人は「お父さんとお母さん」なので、どちらかを固定します。どちらでもいいのですが、今回はお父さんにしましょう。
すると、まずお母さんの座る位置が決まります。つまり、ここまでは1通り、ということになります。
そのあとで他の4人を並べればよいので、結局\(4! = 24\)通りとなります。…(答)


【補足】 ちなみに、よく「(1)みたいにお父さんとお母さんの入れ替えを考えなくていいんですか?」と聞かれますが、それはしてはいけません。
なぜなら固定が解かれてしまうからです汗


例3.赤玉1つ、青玉2つ、黄玉3つを円形に並べる並べ方は何通りあるか?ただし、同じ色の玉は区別がつかず、回転して同じ並べ方になるものは同じものとする。
解答はコチラ!
今回の場合はどれを固定してもいい…わけではありません!
円順列は最終的に固定したモノ以外を順列として並べて考えます。
ただ、今回のように同じ色の玉の区別がつかないときに、例えば青玉1つを固定すると次のような問題が起きます。


ということで、この中でも状況的に特別な(=1個しかない)赤玉を固定します。
あとは青玉2つ、黄玉3つの計5つを、同じものを含むモノの並べ方で考えればよいので、
\(\displaystyle \frac{5!}{2! \cdot 3!} = \frac{5 \cdot 4 \cdot 3!}{2 \cdot 1 \cdot 3!} = 10\)(通り)…(答)
まとめ
円順列の計算方法についてでした。
「どれかを固定する」を押さえておけば大丈夫ですが、問題によってはその固定するモノもしっかり考える必要がある、というのは知っておいてください。

