PR
確率変数って?わかりそうでわからない「確率変数」の意味を例で説明
統計の勉強を始めたらおそらくその日のうちに出てくるであろう「確率変数」。
慣れてしまえば「あぁ、そんなもんか…」と思うのですが、最初、少しわかりにくいのでイメージを掴みやすいように解説していきます。
今回はちょっと短めです。
確率変数とは?
確率変数とは、その変数の値(や値の範囲)と確率を対応づけすることができるような変数です。当然ですが、確率変数はどんな事象を考えているのか?どんなルールで変数を決めるのか?によって変数のとる値が変わってきます。
?日本語を喋っていただけると助かります…。
確率変数の考え方は、とにかく例を見てくれた方がわかりやすいですね!
確率変数の例「サイコロ」
質問です。サイコロの目はどんな値が出る可能性がありますか?
普通の六面体のヤツなら1〜6ですね。
例えば「サイコロの出る目」を\(X\)とすると、\(X=1, 2, 3, 4, 5, 6\)となる確率変数として扱うことができます。
ちなみに\(X\)となる確率を\(P(X)\)と書きます。
表をかいて確認してみましょう。
\(X\) | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 計 |
\(P(X)\) | \(\displaystyle \frac{1}{6}\) | \(\displaystyle \frac{1}{6}\) | \(\displaystyle \frac{1}{6}\) | \(\displaystyle \frac{1}{6}\) | \(\displaystyle \frac{1}{6}\) | \(\displaystyle \frac{1}{6}\) | 1 |
確かに、各確率変数の値と確率が対応づけされていますね。ですので、この\(X\)は確率変数として扱うことができます。
ちなみに、このような確率変数とその確率を対応させた表を「確率分布」といいます。
なるほど、その事象の取りうる値を確率変数、というんですね。
んー…必ずしもそうとは限りませんけどね。
例えば、次のようなゲームをしたとしましょうか。
サイコロを投げて、偶数の目が出たらその目の100倍の賞金をもらえる。奇数が出たら賞金は0である。
この賞金も確率変数として扱うことができます。
あぁ…確かにサイコロの目が直接、変数の値になるわけではないですね。
このゲームの場合賞金を確率変数\(X\)とすると、\(X\)の取りうる値は、偶数の100倍と、奇数が出たときの0なので、\(X=0, 200, 400, 600\)となりますよね?
これも立派な確率変数です。
\(X\) | 0 | 200 | 400 | 600 | 計 |
\(P(X)\) | \(\displaystyle \frac{1}{2}\) | \(\displaystyle \frac{1}{6}\) | \(\displaystyle \frac{1}{6}\) | \(\displaystyle \frac{1}{6}\) | 1 |
こんな感じで各確率変数と確率が対応づけできますね。
確率変数0となる確率は「奇数が出る確率」なので\(\displaystyle \frac{3}{6}=\frac{1}{2}\)ですね。
確率変数「コイン」
あとは、よくやるのが「コインの表が出るか、裏が出るか」みたいな試行ですね。
表とか裏とかって数字じゃないじゃないですか…。
\(X\) | 表? | 裏? | 計 |
\(P(X)\) | \(\displaystyle \frac{1}{2}\) | \(\displaystyle \frac{1}{2}\) | 1 |
こういうときは、表→「1」、裏→「0」という感じで数値を対応させることが多いですね。
\(X\) | 1 | 0 | 計 |
\(P(X)\) | \(\displaystyle \frac{1}{2}\) | \(\displaystyle \frac{1}{2}\) | 1 |
あくまで「変数」ですからね。数値と確率を対応させてやりたい、というのと、先ほどのサイコロゲームのように対応づけできれば確率変数は比較的自由に設定できる、というのは覚えておいてください。
なるほど。
ちなみに、この確率変数の設定の方法は二項分布でよく使いますね。
まとめ
「確率変数の考え方」のイメージを例を使って説明しました。
勉強を進めていけば「確率変数って、なんとなくこういうことかな?」というのがわかるのですが、ちょっとした疑問も出てくると思いますので、これらの例を見ながら今のうちに「確率変数」の考え方に慣れていきましょう!