「情報」が共通テストに課される!?サンプル問題の解説とねらい①

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最近、高校教育業界で話題になっていることがあります。それは2025年度(令和7年度)共通テストで「情報」が課される、という内容です。

令和4年度高校入学生から新たに「情報I」という教科が履修されることになるのですが、これが共通テストの試験に課される、という話です。

今までの高校生(と令和3年度現役高校生)も「社会と情報」という教科名で情報の勉強はしてきましたが、共通テストという全国の生徒が一斉に受ける大学入試テストでこの科目が課されることは初めてです。

しかも「プログラミング」の内容まで入ってくる、というではないですか…。

今何かと話題の共通テスト。教科「情報」の動向に注意しながら、このブログではサンプル問題を中心に解説とねらい、今後の学習法についてアドバイスしていきたいと思います。

この記事はこんな人にオススメ
  • 共通テストに「情報」が課されるらしいんだけど、ホント?どんな問題が出るの?
  • ホントに「情報」がテストになったら、ちょっと自信ないんだけど…解説とかしてないの?
目次

とりあえずサンプル問題(令和3年3月発表分)の解説

色々と言いたいことはありますが、とりあえずサンプル問題の解説をしてみます。

せんせ

今後の勉強の参考になれば、と思います。

元のサンプル問題が見たい、という人はこちらからご覧ください。(外部リンクです)

第1問(問1)

2011年の東日本大震災の後にまとめられた報告書「大規模災害等緊 急事態における通信確保の在り方について」の一部を受けて、

ア、イの解説

先生 : 10 年前の東日本大震災の時は,この報告書にあるように電話やメールがつながりにくくなったようです。特に固定電話がつながりにくかったようだね。

生徒 : 多分,利用者からの発信が急増するから回線がパンクしてしまったのではないですか。でも SNS は利用できたのですね。

先生 : 通常通りとはいかなかったと思うけど,利用できたようだね。当時の固定電話の回線交換方式と違って,データ通信であるインターネット回線では ( ア )したり( イ )したりするから,SNS は災害に強いメディアとして認識されるようになったんだよ。

【ア ・ イ の解答群】

0.通信経路上の機器を通信に必要な分だけ使えるように予約してパケットを送出

1.大量の回線を用意して大きなデータを一つにまとめたパケットを一度に送出

2.データを送るためのパケットが途中で欠落しても再送

3.回線を占有しないで送信元や宛先の異なるパケットを混在させて送出

4.一つの回線を占有して安定して相手との通信を確立


平成 30 年告示高等学校学習指導要領に対応した 令和7年度大学入学共通テストからの出題教科・科目
せんせ

SNSを含む、インターネットのデータ送信の特徴の説明ですね。

パケット、という言葉を聞いたことがあるでしょうか?一時期「パケ死」なんて言葉も流行りましたね。

インターネットのデータ送受信は、次のような特徴があります。

データは細切れ(パケット)にして送る

せんせ

データを細切れにして送ると、次の様なメリットがあります。

  • データ容量が小さいので、送りやすい。途中でネットワークが切れてデータが欠落しても続きから再送信しやすい
  • よって、回線を占有することがない。ちょっと送ったら次の人に回線を渡す、などといった柔軟な送信が可能。電話のように、回線が繋がっていなければ通信ができない、ということがない
  • 一度に大量のデータを送る必要がないので、複数の宛先にちょくちょくデータを送ることも可能

パケット単位に分けて送受信することで、本質的にネットワーク障害などにも強いシステムになっています。

ただし、以下のようなデメリットもあります。

  • 送った先でデータの整合性を確認しつつ、統合しなければならない。

このあたりのメリット、デメリットを考慮すると、上記の答えは「2」「3」となります。

ウの解説

せんせ

続く問題(ウ)は特に問題ないでしょう。

生徒 : 分かりました。また,この報告書にあるような情報格差は( ウ )や経済的な格差によって生じますから,周りの人たちが互いに助け合うことが大事ですね。

【ウの解答群】

0.機密性の違い

1.信憑性の違い

2.季節の違い

3.世代の違い

平成 30 年告示高等学校学習指導要領に対応した 令和7年度大学入学共通テストからの出題教科・科目
せんせ

情報格差、の話ですね。

情報格差(デジタル・デバイド)は主に次の2点の要因があります。

1.地域格差 → 通信インフラの差や、人に接する機会の差などが情報量の差に繋がります。
2.世代格差 → 時代と共に情報機器は利便性を増しています。若い世代は子供の頃からインターネットやスマートフォンに慣れ親しんでいます。逆にパソコンをあまり触ったことがない、という人も多いです。年齢の高い、低いで情報機器の扱いに長けている、長けていない、とは言えませんが、幼い頃から慣れ親しんだ情報環境の差はあります。

情報格差においては「機密性」「信憑性」「季節」の違いは関係ありません。

よって、答えは「3」になります。

エの解説

生徒 : 先生,ここ(下線b)にあるクラウドサービスはこの頃から使われるようになったのですか。

先生 : もう少し前からあったけど,この震災をきっかけに自治体での利用が広まったとも言われているよ。

生徒 : それは( エ )からですか。

【エの解答群】

0.手元にデータをおいておけるため高い安心感を得られる

1.手元にある機材を追加して自由に拡張することができる

2.サーバを接続するプロバイダを自由に選ぶことができる

3.サーバなどの機器を自ら設置する必要がない

平成 30 年告示高等学校学習指導要領に対応した 令和7年度大学入学共通テストからの出題教科・科目
せんせ

近年(といってももう大分経つと思いますが)流行ってきている、というか最早スタンダードなサービスになっているクラウドについてですね。

データをインターネット上のサーバ(ざっくりと「インターネット上にある、データの保存、配信用のパソコン」と思ってください)に置いておく、という概念自体は昔からあったのですが、サーバの構築やそれに接続する手順が複雑すぎて一般的に使えるようなものではありませんでした

それを手軽に利用できるようにしたものがクラウドサービスです。

よって、クラウドサービスには以下のような特徴があります。

手軽にインターネット上にデータを保存し、引き出すことができる。 サービスによっては、クラウド上で様々なデータ編集ができる。

せんせ

ですので、以下のようなメリットがあります。

  • インターネット上のデータに、いつでも、どこでも、どの端末からでもアクセスできる。よって、インターネットに接続できればどんな機器を使っても問題なく、しかもデータの同一性が保たれる
  • インターネット上にデータを保存するためには、サーバを設置してソフトを入れたりしながら環境構築しなければならないが、それをすべてクラウドサービスが代わりにやってくれる。我々はサービスに登録するなどして使うだけ。ありがたし。
  • インターネット上にデータがあるので、万が一手元の端末が壊れたとしても安心。新しく端末を準備して、もう一度クラウドサービスにアクセスすれば同じデータを使うことができる。
せんせ

逆に以下のようなデメリットがあります。

  • 基本的にインターネットに繋がってないと機能しない。(手元の端末に一時的にデータをダウンロードして編集できたりする機能はある)
  • サーバやサービスの仕様など「もっとこうだったらいいのに…」という部分の変更ができない。当たり前ですけど。

ということで、「手元にデータがある」「手元の機器を追加する」「サーバを接続するプロバイダ(通信接続会社)を選べる」というのは間違いです。答えは「3」

ちなみに、

せんせ

手元にデータがあった方が安心じゃん。インターネット上にデータ置いておく方が怖いんだけど。

と思う人もいるかもしれませんが、クラウドサービスはその特性上「セキュリティ」と「データの保全」に最大限の努力をしています。もちろん万が一のことを考えて、個人情報をクラウドサービスに上げることは基本的にはNGです。しかし、酔っ払ってスマホをトイレに落としてデータを失う可能性の方が、クラウド上のデータを損失する可能性より高いと思います。

第1問(問2)

この問題は、自分がプレゼンなどで伝えたいこととそのための適切な図の選択、になります。

オ〜キの解説

次の文は,学習成果発表会に向けて,3人の生徒が発表で用いる図について説明したものである。内容を表現する図として最も適当なものを,後の解答群のうちから一つずつ選べ。

生徒A : クラスの生徒全員の通学手段について調査し,「クラス全員」を「電車を利用する」「バスを利用する」「自転車を利用する」で分類し表現します。( オ )

生徒B : より良い動画コンテンツを制作する過程について,多くの人の意見を何度も聞き,「Plan」「Do」「Check」「Action」といった流れで表現します。( カ )

徒C : 家電量販店で販売されているパソコンを価格と重量に着目して,「5万円以上・1kg以上」「5万円以上・1kg 未満」「5万円未満・1kg以上」「5万円未満・1kg未満」という区分に分類し表現します。( キ )

平成 30 年告示高等学校学習指導要領に対応した 令和7年度大学入学共通テストからの出題教科・科目
せんせ

ちなみに選択肢は以下の図のようになっています。

オ〜キの解答群
せんせ

図はパッと見てわかるので強力なツールなのですが、種類を間違えるとかえって伝わりにくいモノが出来上がってしまいます。

(オ)は「通学手段が複数の人もいることを想定する」「領域の大きさで人数の多さを表現できる」ということで答えは1ベン図となります。

せんせ

高校生は数学でも習うので馴染み深いですね。

(カ)はPDCAサイクルを回すときによくある図ですし、「見たことない」という受験生でも「流れで表現する」という文を見たらサイクル図を選べるのではないか、と思います。

(キ)は「5万円以上・1kg以上」「5万円以上・1kg 未満」「5万円未満・1kg以上」「5万円未満・1kg未満」という条件がそれぞれ「ある・なし」の関係になっており、それに対してパソコンがどの位置にあるか、を示そうとしています。よって、答えは2ポジショニングマップになります。

ちなみに

選択肢0はピラミッド図で、上下関係や比率の関係を示すことができます。「食物連鎖」みたいな上下関係とその比率を表現するときに使います。比率を表すのがポイントですね。

選択肢3はマインドマップ(だと思う、多分)です。真ん中にテーマを据えて、そこから派生するキーワードを書き出して、繋がりや新たな発見を促す図です。アイディアをとにかく出していくブレインストーミングなどで使います。

選択肢4はツリー図(樹形図)です。上下関係も示せますが、兄弟関係も示すことができます。組織図などでよく使われます。

第1問(問3)

この問題は、デジタル画像の扱い方についてです。

ク〜コの解説

次の図1は,モノクロの画像を 16画素モノクロ8階調のデジタルデータに変換する手順を図にしたものである。このとき,手順2では( ク ),このことを( ケ )化という。手順1から3のような方法でデジタル化された画像データは,( コ )などのメリットがある。

平成 30 年告示高等学校学習指導要領に対応した 令和7年度大学入学共通テストからの出題教科・科目
せんせ

図1は次のような図です。

画像をデジタルデータに変換する手順

ク〜コの解答群は次のようになります。

【クの解答群】

0.区画の濃淡を一定の規則に従って整数値に置き換えており

1.画像を等間隔の格子状の区画に分割しており

2.整数値を二進法で表現しており

3.しきい値を基準に白と黒の2階調に変換しており

【ケの解答群】

0.符号 1.量子

2.標本 3.二値

【コの解答群】

0.コピーを繰り返したり,伝送したりしても画質が劣化しない

1.ディスプレイ上で拡大してもギザギザが現れない

2.データを圧縮した際,圧縮方式に関係なく完全に元の画像に戻すことができる

3.著作権を気にすることなくコピーして多くの人に配布することができる

平成 30 年告示高等学校学習指導要領に対応した 令和7年度大学入学共通テストからの出題教科・科目

(ク)については、手順2のタイミングに一番適した選択肢はになります。

(ケ)については、知らないと答えられないかな、と思います。答えは1です。

せんせ

ちなみに、アナログデータからデジタルデータに変換する手順は次のようになります。

① アナログデータを一定の間隔で区切ります。これを標本化と言います。(手順1に相当)
② その区切った区画に対してあらかじめ定められた段階値を割り当てます。これを量子化と言います。(手順2に相当)
③ 量子化した数値を2進数で表現します。これを符号化と言います。(手順3に相当)

(コ)の答えは0です。

せんせ

コピー、伝達でデータが劣化しないのはデジタルデータの最大の特徴ですね。

ちなみに、他の選択肢については、

選択肢1はベクター画像の特徴の話です。デジタルデータでもギザギザ(シャギー)は現れます

選択肢2は圧縮形式の話ですが、デジタルデータは可逆圧縮(元のデータに戻せる圧縮)と非可逆圧縮(元のデータに戻せない圧縮)があります。画像データの形式の例で言えば、PNGGIF可逆圧縮、JPGWebPは非可逆圧縮になります。

はなこ

WebPはあまり聞いたことがないと思いますが、比較的新しい圧縮形式で、Webサイトでよく使われます。画質の劣化を最小限に抑えながら、メチャクチャ高い圧縮率が特徴です。

選択肢3はデジタルデータの扱いの注意点です。常識的に選ばないとは思いますが、出題のポイントとしては「情報モラルもしっかりと学びましょう」ということだと思います。

第1問(問4)

サ〜スの解説

IPアドレスの話です。ネットワーク部(24ビット)、ホスト部(8ビット)のIPアドレス192.168.1.3/24を例に出した後、

先生 : その通りだ。( サ )ビットで表される数のうち,0にしたものはネットワークアドレスとして使用されるし,すべてのビットが 1 である 255 は管理目的で使用するため,このネットワークにはホスト部として 1~254 までの 254 台のネットワーク機器を割り当てることができるんだ。この考え方でいくと,ネットワーク部のビット数を変えることで,同じアドレスでもネットワークの規模を変えることができるんだよ。例えば,192.168.1.3/( シス )が割り当てられているコンピュータが接続するネットワークには,何台のネットワーク機器が接続できるかな?
Kさん : 0とすべてのビットを 1 にしたものが利用できないから,256×256-2 で 65,534 台ですか。

平成 30 年告示高等学校学習指導要領に対応した 令和7年度大学入学共通テストからの出題教科・科目

という会話に繋がります。

ネットワーク部、ホスト部などIPアドレスの説明につきましては、こちらをご覧ください。

せんせ

それでは(サ)について説明します。青いマーカーの部分がヒントです。

(サ)について、IPアドレス(v4)は32ビット(つまり32個の0と1)で表現されますが、「ネットワークに254台接続できる」という点がポイントです。

せんせ

ちなみに、コンマで区切られたフィールドは1区画8ビットで、それを10進数に直したものがそれぞれ「192」「168」「1」「3」という数字です。

同じネットワークに接続できる情報端末の台数は、IPアドレスのホスト部の長さによって決まります。

IPアドレスのホスト部は、そのネットワーク上の住所にあたります

つまり、ホスト部の0と1のパターン数だけ住所を作ることができ、そのパターン数だけ情報端末がネットワークに接続できるのです。

せんせ

具体的にホスト部が8ビットのIPアドレスを使ってネットワークに接続できる台数を考えてみましょう。

ホスト部の1ビットで表現できるパターンは「0か1」の2パターンです。

その1ビットに対して、2ビット目も同じように2パターン存在します。

つまり、2ビットで表現できるパターン数は\(2 \times 2 = 4\)パターンです。

これを8ビットまで繰り返すと、

\(2 \times 2 \times 2 \times 2 \times 2 \times 2 \times 2 \times 2 = 2^8=256\)パターン

となります。

しかし、先生が話している通り、「ホスト部のすべてが0のIPアドレス」はネットワークアドレス「ホスト部のすべてが1のIPアドレス」はブロードキャストアドレス、という特別なIPアドレスになり、ネットワーク上の住所としては使えません。

よって、ホスト部が8ビットのネットワークは、256パターンのうち、使えない2パターンを引いて254台の情報端末が接続できます。

せんせ

計算で言えば、\(2^8-2=254\)台となりますね。

よって、254台の情報機器が繋げられるホスト部は8ビットなので(サ)は8になります。

(シス)は同じIPアドレスでも、ホスト部が変われば接続できる情報機器の台数が変わる、という問題です。

せんせ

こちらは緑のマーカー部分がヒントですね。

K君がネットワークに接続できる情報機器を計算しているところで「256×256-2」と計算しているので、これを先ほどのホスト部のビット数の計算に直すと、

\(2^8 \times 2^8-2\)

となります。つまり、ホスト部は16ビット、ということになります。

よって、プレフィックス(問題の/以降の数字)はネットワーク部の長さを表すので、(シス)の答えは32ビットー16ビット(ホスト部)=16ビットとなります

セソの解説

先ほどの続きです。

先生 : そうだね。一見同じようなアドレスでもネットワークの規模が異なることになるね。では,172.16.129.1 と 172.16.160.1 が同じネットワークに属していると考えるとネットワーク部のビット数は最大何ビットにすることができるかな?

Kさん : 二進法で表して最上位ビットから同じところまでだから,最大( セソ )ビットということですか。

先生 : よく理解できたようだね。

平成 30 年告示高等学校学習指導要領に対応した 令和7年度大学入学共通テストからの出題教科・科目
たろぅ

わかった!ネットワーク部は上位が同じ必要があるから、上から見たら「172.16.」まで同じだから2区画分、16ビットだ!

せんせ

違います…もう少し丁寧に見ていきましょう。

たろぅ

何が違うんだ…?

IPアドレスは人間が理解しやすいように各フィールド8ビットを10進数に直していますが、8ビット×4=32ビット(桁)の0と1の数字の羅列と見た方が理解しやすいです。

今回のIPアドレスをそれぞれ2進数(0と1の数)に直すと、

172.16.129.1 → 10101100.00010000.10000001.00000001

172.16.160.1 → 10101100.00010000.10100000.00000001

となるので、3区画目(129と160)の上位2ビットまで同じだということがわかります。

つまり、ネットワーク部として使えるビット数は最大で上位18ビットになります。(セソ)の答えは18ビットです。

せんせ

10進数のままだと2進数でどこまで同じかわかりません。怪しい部分はちゃんと2進数に直しましょう。

たろぅ

はーい

ちなみに10進数から2進数に直す方法はこちらを参考にしてください。

まとめ

長くなってきたので、一度ここでまとめようと思います。

情報の基本ではあるのですが、それぞれの選択肢を細かく掘っていくと色々な知識が必要であることがわかります。

せんせ

がむしゃらにやると結構大変ですので、これからなるべくわかりやすいようにまとめていけたら、と思います!

次回はいよいよプログラミングの範囲になります。

追記:第3回まであります。

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