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行列式ってなに?公式による計算方法と意味を説明!
行列の重要な要素として行列式、というものがあります。
この行列式、求め方はともかく、
行列式の値は出せるけど…そもそも、ちょっとなにしてるかわかんない…。
となりがちです。
この記事では、行列式の求め方から、その意味まで解説していきます。
行列式の求め方
まず書き方ですが、行列\(A\)に対して、行列式を\(|A|\)や\(detA\)(ディターミナントエー)と書きます。
では、行列式の求め方を説明していきましょう!
これはまぁ、ただの公式確認ですね。
サクッと確認していきましょう。
2次の正方行列の行列式
2次の正方行列の行列式
2次の正方行列\(A= \begin{pmatrix} a & b \\ c & d \end{pmatrix}\)について、行列式\(|A|\)は
\(|A|=ad-bc\)
で計算できる。
例.\(A= \begin{pmatrix} 1 & 2 \\ 3 & 4 \end{pmatrix}\)の行列式\(|A|\)を求めよ。
(解答)
\(|A| = 1 \cdot 4 – 2 \cdot 3 = -2\)…(答)
\(|A|\)は絶対値ではないので、当然マイナスになることもあります。
3次の正方行列の行列式
3次の正方行列の行列式
3次の正方行列\(A= \begin{pmatrix} a_{11} & a_{12} & a_{13} \\ a_{21} & a_{22} & a_{23} \\ a_{31} & a_{32} & a_{33} \end{pmatrix}\)について、行列式\(|A|\)は
\(|A|=a_{11}a_{22}a_{33}+a_{12}a_{23}a_{31}+a_{13}a_{21}a_{32}\)
\(\quad\quad -a_{13}a_{22}a_{31}-a_{11}a_{23}a_{32}-a_{12}a_{21}a_{33}\)
で計算できる。
こんな感じで、図で押さえるといいですね。これをサラスの公式といいます。
例.\(A= \begin{pmatrix} 1 & 1 & -2 \\ -1 & 3 & 0 \\ 2 & 3 & 1 \end{pmatrix}\)の行列式\(|A|\)を求めよ。
(解答)
\(|A|=1 \cdot 3 \cdot 1 + 1 \cdot 0 \cdot 2 + (-2) \cdot 3 \cdot (-1) \)
\(\quad\quad -(-2) \cdot 3 \cdot 2 – 0 \cdot 3 \cdot 1 – 1 \cdot (-1) \cdot 1=22\)
4次以上の正方行列の行列式
4次以上の正方行列の行列式を求めるのは結構大変です。
一応定義を載せておきますが…正直この定義通りに計算するのは現実的ではありません。
\(n\)次の正方行列の行列式
行列\(A=\begin{pmatrix} a_{11} & a_{12} & \cdots & a_{1n} \\ a_{21} & a_{22} & \cdots & a_{2n} \\ \vdots & \vdots & & \vdots \\ a_{n1} & a_{n2} & \cdots & a_{nn} \end{pmatrix}\)
の行列式\(|A|\)は、
\(|A|=\sum sgn\begin{pmatrix} 1 & 2 & \cdots & n \\i_1 & i_2 & \cdots & i_n \end{pmatrix} a_{1i_1}a_{2i_2} \cdots a_{ni_n}\)
で計算できる。
(帰ろう…。)
…という声が聞こえてきそうです。
帰らなくていいので、とりあえずここは読み飛ばして次にいってほしいです。
この定義による計算はかなりハードです。一応説明はしますが、読み飛ばしてもOKです。具体例を出して計算するつもりもありません。
読み飛ばしてくれて構いませんが、一応ここから一つずつ説明をしていきます。
読み飛ばしてもいいんですよ?
- まず、この式は\(\sum\)なので、どんどん和を計算していく、という意味になります。
添字を見てくれたらわかりますが、\(a_{1i_1}a_{2i_2} \cdots a_{ni_n}\)の添字の左側は1,2,…,nとなっており、固定されています。
これに対して、添字の右側は\(i_1, i_2, \cdots , i_n\)となっています。これは、右側の添字は1,2,…,nの全ての並べ方のパターンを考えてください、という意味です。
つまり、この\(\sum\)は、「左側の固定された添字1,2,…,n」に対して「右側の添字1,2,…,nの全ての並べ方」のパターンを全部足してね、という意味です。右側の添字の並べ方は\(n!\)パターンあるので、4次だと4!=24個、5次だと5!=120個のパターンを足さないといけません…。
- \( \begin{pmatrix} 1 & 2 & \cdots & n \\i_1 & i_2 & \cdots & i_n \end{pmatrix} \)は置換と呼ばれるものです。
置換の説明は割愛します。
概要としては、上の1,2,…,nに対して下の\(i_1, i_2, \cdots , i_n\)(実際は①の順番と同じ順番で1,2,…,nを並べ替えたもの)の並べ方によって、偶置換、奇置換という2種類に分けられる、と思ってください。
- \(sgn\)は偶置換なら「+1」になり、奇置換なら「ー1」になる、という意味で、符号(プラスマイナス)を決定する記号だと思ってください。
つまり、ごちゃごちゃ書きましたが、\(sgn\begin{pmatrix} 1 & 2 & \cdots & n \\i_1 & i_2 & \cdots & i_n \end{pmatrix} \)の部分は「\(i_1, i_2, \cdots , i_n\)の並べ方によって、+1かー1になるよ〜」というだけです。
以上から、この定義のおおまかな説明としては、
「\(a_{1i_1}a_{2i_2} \cdots a_{ni_n}\)の右側の添字をどんどん変えながら、そして、その変え方によって符号(プラスマイナス)を決定しながら足していく」
という感じです。
(具体例を出して計算するのが面倒なので、これで説明した、という雰囲気にしておきます。スイマセン。)
次数が上がると手で計算するのは現実的でなくなってきます。ギリギリ4次くらいまででしょうか…。しかもイチイチ偶置換、奇置換を判定して符号を決めるのは大変です…。想像するだけで気が遠くなりますね。
実際には「余因子展開」というテクニックを使って計算もできますが、これも多少計算は楽になりますが、焼石に水。
結論「4次以上の行列式は計算が大変」。
で?行列式って?
行列式は、その行列の特徴を示す指標です。
具体的にどのような指標なのか?について説明していきます!
逆行列を求める
普通の数(スカラー)でいうところの、逆数に相当する「逆行列」を求める際に使います。逆行列の具体的な求め方についてはこちらの記事をご覧ください。
逆行列は、演算でいうと割り算の役割になるので、さまざまな式変形ができるようになります。ですので、行列式を使って逆行列を求めることは、かなり重要な操作になります。
また、行列式は「\(|A| \neq 0\)ならば逆行列が存在して、\(|A|=0\)ならば逆行列が存在しない」という、逆行列の存在判定をする際にも使うことができます。
行列による変換の拡大倍率
行列の積は、実は「ベクトルの変換」ととらえることもできます。
そして、その行列式には変換の拡大倍率という意味もあります。この変換の拡大倍率のイメージは、解析のヤコビアンなどでも使います。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
連立一次方程式が解けるかどうか?
突然ですが、連立1次方程式は解ける場合もあるし、解けない場合もあります。
例えば、
\( \left\{ \begin{array}{l} x+y=4 \\ 2x+2y=5 \end{array} \right.\)
なんかは実は解くことができません。
高校までの問題では、解けない問題を出すことの方が少ないのですが、そもそも解けるかどうか?を考えることも重要です。
このとき、係数を抜き出した行列を係数行列\(A=\begin{pmatrix} 1 & 1 \\ 2 & 2 \end{pmatrix}\)、\(x,y\)を行列\(\boldsymbol{x}=\begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix}\)、右辺を\(\boldsymbol{b}=\begin{pmatrix} 4 \\ 5 \end{pmatrix}\)とすると、連立方程式は
\(A\boldsymbol{x}=\boldsymbol{b}\) …(※)
と表せます。
行列の積の計算にしたがって計算してみてください。連立方程式の2つの式が出てくるはずです。
ここで、連立方程式の解を求める、ということは、\(\boldsymbol{x}\)を求めればよいので、(※)を\(\boldsymbol{x}=\begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix}=\cdots\)の形にすればよい、ということになります。
そこで、一番簡単な方法は、(※)の左から\(A^{-1}\)を掛けることです。
\(A^{-1}\)を掛けることができたら、\(\boldsymbol{x}\)は一意に決まる(=この連立方程式が解ける)ということになります。(\(A\boldsymbol{x}=\boldsymbol{b}\)より、\(\boldsymbol{x}=A^{-1}\boldsymbol{b}\)となり\(\boldsymbol{x}\)が求められる。)
ただし、そもそも\(A^{-1}\)が存在しなければ、当然ですが\(A^{-1}\)を掛けることはできません。
ですので、係数行列\(A\)の行列式を計算することで、\(|A| \neq 0\)ならその方程式は解けるし、\(|A| = 0\)ならその方程式は解けない、ということになります。
最初の例では、係数行列\(A=\begin{pmatrix} 1 & 1 \\ 2 & 2 \end{pmatrix}\)の行列式が\(|A|=1\cdot 2 – 2 \cdot 1\)となるので「解けない」ということになりますね。
まとめ
行列式の求め方と、その意味の説明でした。
正直テクニック的な部分も多いので、なんのために勉強しているかわかりにくい行列…。
ただ、行列は色々なところにポツポツと顔を出すので、できるだけ「なにをしているのか?」というのを理解することをオススメします!
おまけ
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