PR
対数の定義【対数とは?わかりにくいその正体をわかりやすく説明!】
指数関数を習った後に習う対数…。
この対数、
…結局対数ってなんなの?なんで対数なんか考えるの?わけわかんない…。
となりがちです。
この記事では、対数の定義と「対数とはなにか?」「対数はどんなときに使えるのか?」について説明していきます。
対数とは?
はなこさん!俺、すげぇこと知った!ちょっと聞いてよ!
(面倒だわね…でも聞かないと後でもっと面倒かな…)
…なに?
紙をさ、こう…半分、半分に折っていくと、42回折っただけで月に届くらしいよ!すげぇよな!42回くらいなら折れるだろ!折ろう!
…なんで42回なの?
え?いや…わかんないけど、計算したんじゃない?
どうやって計算するの?
いや…わかんないけど…
ということで、対数です。
例えば、上の問題を考えてみます。話を簡単にするため、紙の厚さ0.1mm、月の距離約38万kmとしましょう。
この紙を半分に折ると厚さは倍になるので、\(0.1 \times 2\)mmとなります。さらに折ると厚さは倍になるので、\(0.1 \times 2 \times 2 \)mm。この調子で紙を\(n\)回折ると、\(0.1 \times 2 \times 2 \cdots \times 2 = 0.1 \cdot 2^n\)mmになります。
これが月までの距離約38万kmに届くとすると、
\( 0.1 \cdot 2^n\)mm \(> 380000\)km\(=380000000\)m\(=380000000000\)mm
\( 0.1 \cdot 2^n > 380000000000\)
となればOKです。\(0.1\)をはらって、
\( 2^n > 3800000000000\)
この\(n\)を求めればいいのですが…まず手で計算するのはムリですよね?
数学の問題ならともかく、指数の計算というのは現実世界の問題に近づくほど計算不可能なくらい大きくなってきます。
あとで説明をしますが、このようなときに指数部分\(n\)を対数で表すと計算することができます。
もしくは、次のような問題はどうでしょう?
指数方程式の問題です。
\(2^x = 2\)は?
ふ…僕をなめてますね?答えは\(x = 1\)です!
\(2^x = 4\)は?
\(x = 2\)!
\(2^x = 8\)は?
\(x = 3\)!
\(2^x = 15\)は?
…ん?今なんて言いました?
\(2^x = 15\)は?
ん?アレ?\(2^x = 15\)?\(16\)じゃなくて?
となりますよね?整数の\(x\)で\(2^x = 15\)を満たすものはありません。
ですが、指数関数のグラフを考えると、確かに\(2^x = 15\)を満たす\(x\)は存在しそうです。
ですが、残念ながらこの\(x\)を表す方法を知りません。
ということで、このような\(x\)を表す新たな方法を「対数」として定義します。
この2つの例で分かる通り、本質的に対数は指数関数の指数部分、という側面があります。…忘れられがちですが。
ちなみに、\( 2^n > 3800000000000\)を手計算でするのはムリ、と言いましたが、常用対数表を使うと現実的な桁数で手計算できます!
常用対数表で計算すると\(n > 41.7933 \cdots \)となり、確かに\(n=42\)で38万kmを超えることがわかります。対数、スゲェですよね。
詳しい計算方法はコチラ
常用対数についてはコチラの記事をご覧ください。
もし、「対数を初めて聞いた」という人はまずはこの記事を最後まで読んでください。
簡単に説明すると、底が10の対数(常用対数)の値は昔の偉い人によって計算されて、値が表にまとめられています(ヘンリー・ブリッグスという方が作ったそうです)。それが、常用対数表です。この値を使うと計算することができます。
対数の性質(公式)も使うので、コチラの記事も合わせてご覧ください。
\( 2^n > 3800000000000\)
\( 2^n > 3.8 \times 10^{12}\)
両辺底10の対数をとると、
\( \log_{10}2^n >\log_{10}(3.8 \times 10^{12})\)
\( n\log_{10}2 >\log_{10}3.8 + \log_{10}10^{12}\)
\(\displaystyle n >\frac{\log_{10}3.8 + 12}{\log_{10}2}\)
\(\displaystyle n >\frac{0.5798 + 12}{0.3010} = 41.7933\cdots\)
このくらいなら手計算できますよね!
対数の定義
対数の定義は次のように定められます。
対数の定義
\(a\)は1でない正の数とする。このとき、
\(a^p = M \Leftrightarrow p = \log_{a}M\)
とし、\(p = \log_{a}M\)を\(a\)を底とする\(M\)の対数という。
ちなみに、\(M\)を真数といい、\(a^p = M\)という形から、真数\(M>0\)という条件が必要となることがわかる。
例.\(2^x = 15\)を対数の定義にしたがって変形すると\(x = \log_{2}15\)。
変形のコツは、
- 対数は指数関数の指数部分だ。
- 対数の「底」も指数の「底」同じものだ。
という点を押さえておくことですね。
対数が指数関数の指数部分だ、というのは先程説明したとおりです。
また、\(log_{a}M\)の\(a\)のことを底といいますが、指数の\(a^p\)の\(a\)ことも底といいます。教科書には書いているんですが、対数の方の「\(log_{a}M\)の\(a\)を底という」ことが多すぎて\(a^p\)の\(a\)も底というのを忘れがちです。
対数の定義を見てくれればわかりますが、これらの底はどちらも同じものです。
なので、対数の定義を使って変形する場合は、\(a^p = M\)のとき、
- 対数は指数部分を表すので「\(p=\)」の形だな。
- 対数の底と指数の底は同じだから、「\(\log{a}□\)」の形だな。
→だから\(p = \log{a}M\)だな。と、すんなり変形できます。
ある程度本質的な部分を押さえておくと対数の変形も簡単ですね。
対数の定義の練習問題
問.\(a^p = M\)、\(b^q = M\)としたとき、\(a^{\log_{a}M} = b^{\log_{b}M} = M\)となることを示せ。
答え
省略
練習問題の模範解答も販売中!
1分野200円なので、解答が欲しい分野だけ格安で購入できます!!
別解や思考方法、注意点、補足説明など、note記事だからできる、他にはなかなか無い模範解答に仕上がっています。
対数の定義まとめ
対数の定義についてでした。
対数は指数関数の指数部分を上手く表すための表現方法、というのは押さえておきましょう。