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2025共通テスト「数学ⅡBC」徹底解説!【予備校の解説ではできない私見も】
この記事では2025年1月19日に行われた共通テスト「数学ⅡBC」の解説をしていきます!
手元に共通テストの問題を準備して読んでくださいね!
共通テスト数学ⅡB.第1問【三角関数】
(1)(i) \(\alpha = \beta\)とすると、\(\displaystyle \theta + \frac{\pi}{6} = 2\theta \)。
これを解いて\(\displaystyle \theta = \frac{\pi}{6} \)。(答)
このとき、\(\displaystyle \sin{\Big( \theta + \frac{\pi}{6} \Big) } = \sin{2\theta} = \frac{\sqrt{3}}{2}\)。(答)
(ii) 単位円上の点と原点を結んだ線分と\(x\)軸正の方向と成す角のサインの値は、単位円上の点の\(y\)座標と等しいので「点Pの\(y\)座標と点Qの\(y\)座標が等しいときサインの値は等しい」。(答)
(iii)
\( \alpha + \beta = \pi \)。(答)
\(\displaystyle \theta + \frac{\pi}{6} + 2\theta = \pi \)となるので、\(\displaystyle \theta = \frac{5}{18}\pi \)。(答)
\( \alpha + \beta = 3\pi \)。(答)
\(\displaystyle \theta + \frac{\pi}{6} + 2\theta = 3\pi \)となるので、\(\displaystyle \theta = \frac{17}{18}\pi \)。(答)
(2)
\(\displaystyle \cos{\Big( \theta + \frac{\pi}{6} \Big) } = \cos{2\theta}\)。単位円上の点の\(x\)座標が等しければよい。
\(\displaystyle 0 \leq \theta < \frac{\pi}{2}\)のとき\(\displaystyle 0 \leq 2\theta < \pi\)なので、\( \alpha = \beta \)となるパターンしかない。
このとき、\(\displaystyle \theta = \frac{\pi}{6} \)。(答)
\(\displaystyle \frac{\pi}{2} \leq \theta < \pi \)のとき\(\displaystyle \pi \leq 2\theta < 2\pi\)なので、\(\alpha + \beta = 2\pi\)となればよい。
\(\displaystyle \theta + \frac{\pi}{6} + 2\theta = 2\pi \)を解いて、\(\displaystyle \theta = \frac{11}{18}\pi \)。(答)
三角方程式の問題。単位円を上手く使えれば解けるが、意外とハードルが高いかもしれない。
\(y\)座標が等しければいい、という状況がわかった上で\( \alpha+\beta \)の値がわかるか?がポイント。サイクロイドの問題を解いたことがある人は、同じような感覚で「キリのいいところから角を測る」という考え方ができるかも。
共通テスト数学ⅡB.第2問【指数関数・対数関数】
(1) 「1日ごとに一定の倍率で増える」という設定なので、\(r^3 = 1.32\)。(答)
常用対数表を使うと \( \log_{10}{1.32} = 0.1206 \)。(答)
\(r^3 = 1.32\)の両辺常用対数をとって、
\( \log_{10}{r^3} = \log_{10}{1.32}\)
\( 3 \log_{10}{r} = 0.1206\)。よって、\( \log_{10}{r} = 0.0402\)。(答)
(2) 「最初\(a\)%、1日に増える倍率\(r\)((1)で求めた値)、14日後に60%」となればいいので、
\( a \times r^{14} = 60\)。(答)
両辺常用対数をとって、
\( \log_{10}{ ( a \times r^{14} ) } = \log_{10}{60} \)
\( \log_{10}{a}+ 14 \log_{10}{r^{14}} = \log_{10}{6}+\log_{10}{10} \)
\( \log_{10}{a}+ 14 \times 0.0402 = 0.7782 + 1 \)。これを解いて、\( \log_{10}{a}=1.2154\)。(答)
\( \log_{10}{a}=1.2154\)より、\(a = 10^{1.2154}=10^1 \times 10^{0.2154}\)なので
\(10^{0.2154}\)について調べる。
\(k=10^{0.2154}\)として、両辺常用対数をとって整理すると\( \log_{10}{k} = 0.2154\)。
常用対数表を使うと\(1.64 < k < 1.65\)となる。つまり、\(1.64 < 10^{0.2154} < 1.65\)の値だとわかる。
\(a = 10^1 \times 10^{0.2154}\)なので、\(16.4 < 10^1 \times 10^{0.2154} < 16.5\)。
よって、\(a\)以下で最大の整数は16。(答)
常用対数表を使った問題。最近は常用対数表や三角比表、標準正規分布表を使って問題を解くことも多いので、各種表は使えるようにしておきましょう。
(2)は解きにくかった人もいたかもしれません。常用対数については、このブログでも詳しく説明しているのでご覧ください。
共通テスト数学ⅡB.第3問【微分・積分】
(1) \( F(x) = 2x^3 + 3x^2\)を微分して\(f(x) = 6x^2 + 6x \)。(答)
\(f(x)=6x(x+1)\)。\(f(x) = 0\)とすると\(x=-1,0\)
\begin{array}{|c|ccccc|}
\hline
x & \cdots & -1 & \cdots & 0 & \cdots \\
\hline
f(x) & + & 0 & – & 0 & + \\
\hline
F(x) & \nearrow & 極大 & \searrow & 極小 & \nearrow \\
\hline
\end{array}
\(F(x)\)は\(x=-1\)で極大値をとる。(答)
(実際は増減表なんかかいてる暇ない…けど、このあとの問題のために、このくらいかいておいても損はないかも)
「\(f(x)\)は2次関数」「\(F(x)\)と\(G(x)\)の導関数が同じ\(f(x)\)」であることから\(F(x)\)と\(G(x)\)の違いは定数部分のみだとわかる。
よって、\(G(x) = 2x^3+3x^2 + C\)とおける。(答)
増減表の区切りとなる\(x\)、増減も\(F(x)\)と一緒なので(定数部分だけ違うので上下スライドのイメージ。極大値・極小値だけ変わる)、\(G(x)\)は\(x=0\)で極小値をとる。(答)
条件から、\(G(x)\)は\(x=-1\)で極大値0をとるので、\(G(-1)=0\)。\(2(-1)^3+3(-1)^2+C=0\)より、\(C=-1\)。(答)
(2)(i) \(F(x)\)は\(x=0\)で極小となるので、導関数\(f(x)\)について\(f(0) = 0\)。(答)
極小となるところでは導関数\(f(x)\)の符号は負(マイナス)から正(プラス)に変わる。(答)
同様に\(G(x)\)に関しても、\(x=k\)で極大となるので、導関数\(f(x)\)について\(f(k) = 0\)。(答)
極大となるところでは導関数\(f(x)\)の符号は正(プラス)から負(マイナス)に変わる。(答)
条件「\(F(x)\)は\(x=0\)で極小値をとる」「\(k>0\)」と、\(G(x)\)が極大になるところ(\(x=k\))で\(F(x)\)も極大になる、ということでグラフの概形は次のようになる。(答)
(ii) \(F(0)=0\)なので
\(\displaystyle \int_0^x f(t) dt = \left[ F(t) \right]_0^x = F(x)-F(0)=F(x) \)。(答)
極大となるのは\(x=k\)のとき、つまり極大値は\(F(k)\)なので、上の積分の\(x=k\)とすればよい。極大値は\(\displaystyle \int_0^k f(t) dt \)。(答)
(i)\(F(x)\)のグラフの概形から\(f(x)\)は次のようなグラフになる。
よって、極大値\(\displaystyle \int_0^k f(t) dt \)は\(y=f(x)\)と\(x\)軸で囲まれた図形の面積と等しい。(答)
また、\(F(x)\)と\(G(x)\)のグラフの概形は次のようになる。
\(F(x)\)と\(G(x)\)のグラフは上下にスライドさせただけの関係なので、\(F(x)\)の極大値は\(G(x)\)の極小値を−1倍した値だとわかる。(答)
2つの関数の導関数が等しいので、結局「違いは定数部分のみ=2つのグラフは上下にスライドさせただけ」と思えれば解きやすいです。
後半は、教科書にのっている積分の性質、
\(\displaystyle \frac{d}{dx} \Big( \int_a^x f(t) dt \Big) = f(x) \)
の理屈がしっかりわかっていれば、ラクに\(F(x)\)や極大値を積分の形で表現できます。
\(F(x)\)のグラフの概形から、\(f(x)\)や\(G(x)\)のグラフをイメージする…という最近の共通テストであるあるの問題ですね。
共通テスト数学ⅡB.第4問【数列】
(1)
よって、\(a_2=5\)、\(a_3=8\)。数列\( \{ a_n \} \)は公差が3の等差数列。(答)
格子点の個数は項数20、初項2、末項59の等差数列の和。
よって、\(\displaystyle \frac{20}{2}(2+59) = 610\)。(答)
(2)
「\(x=k\)の境界上は必ず格子点がのる」ことと「境界上の格子点はカウントしない」ことに注意すると、\(x=k\)上の格子点でUの内部にあるものの個数は\(2^k-1\)個。(答)
\(x=n+1\)で囲まれているが、境界(\(x=n+1\))上はカウントしないので、\(x=k\)上のU内部の格子点を\(k=1\)からその手前の\(x=n\)までの和で求めればよい。
\(\displaystyle \sum_{k=1}^{n}(2^k-1)= \frac{2(2^n-1)}{2-1}-n = 2^{n+1}-n-2\)。(答)
(3)
\(a>0\)、\(b^2-4ac<0\)より、次のような図になる。
\(\displaystyle \sum_{k=1}^{n}(ak^2+bk+c-1)= a \frac{1}{6}n(n+1)(2n+1) + b \frac{1}{2}n(n+1) + (c-1)n \)
\(\displaystyle \quad = \frac{a}{3}n^3 + \Big( \frac{a}{2} + \frac{b}{2} \Big) n^2 + \Big( \frac{a}{6} + \frac{b}{2}+ c-1 \Big) n \)
よって、\(\displaystyle \frac{a}{3}n^3 + \Big( \frac{a}{2} + \frac{b}{2} \Big) n^2 + \Big( \frac{a}{6} + \frac{b}{2}+ c-1 \Big) n =n^3\)
これがすべての\(n\)について成り立つので、
\( \begin{cases}
\displaystyle \frac{a}{3} = 1 \\
\displaystyle \frac{a}{2} + \frac{b}{2} = 0 \\
\displaystyle \frac{a}{6} + \frac{b}{2}+ c-1 = 0
\end{cases} \)
\( \begin{cases}
\displaystyle a = 3 \\
\displaystyle b = -3 \\
\displaystyle c = 2
\end{cases} \)(答)
格子点の問題を解いたことがある人には、特に難しい問題ではなかったと思います。
格子点の問題を解くときに注意しないといけない「境界線上に格子点があるか?」には気をつけましょう。
共通テスト数学ⅡB.第5問【統計的な推測】
(1) レモンの重さの確率変数\(X\)は正規分布\( N ( 110, 20^2 ) \)に従うので \(\displaystyle Z_1 = \frac{X-110}{20} \)とすると、\(Z_1\)は標準正規分布\( N ( 0, 1 ) \)に従う。
\(\displaystyle P(110 \leq X \leq 140) = P( \frac{110-110}{20} \leq Z_1 \leq \frac{140-110}{20} ) = P(0 \leq Z_1 \leq 1.5)\)
標準正規分布表から、0.4332。(答)
Lサイズのレモンの個数\(Y\)は二項分布\( B (20万, 0.4332) \)に従う。
よって、\(Y\)の平均(期待値)は\(200000 \times 0.4332 = 86640\)。(答)
(2) 母平均\(m\)、母標準偏差\(\sigma\)の母集団から\(n\)個の標本を抽出したとき、標本平均\( \overline{W} \)は近似的に
正規分布\(\displaystyle N ( m , \frac{\sigma^2}{n} ) \)に従う。(答)
よって、95%の信頼区間の幅は\(\displaystyle 2 \cdot 1.96\frac{\sigma}{\sqrt{n}} = 3.92\frac{\sigma}{\sqrt{n}}\)。(答)
この幅を4(g)以下にしたいので、\(\sigma = 20\)とすると、
\(\displaystyle 3.92\frac{20}{\sqrt{n}} \leq 4\)
\(\displaystyle ( 3.92 \cdot 20 )^2 \leq 16 n\)
\(\displaystyle \Big( \frac{3.92 \cdot 20}{4} \Big)^2 \leq n \)
\(\displaystyle 19.6^2 \leq n \)
\( 384.16 \leq n\)。よってこの不等式を満たす最小の\(n\)を\(n_0\)とすると、\(n_0 = 385 \)。(答)
(3) 「今年収穫されるレモンの重さの母平均\(m\)(g)が過去の平均110gよりも軽い」というのが検証したい対立仮説なので「\(m<110\)」。(答)
標本の大きさ400は十分に大きいので、標本平均\( \overline{W} \)は近似的に
正規分布\(\displaystyle N ( m , \frac{\sigma^2}{n} ) = N ( 110 , \frac{20^2}{400} ) = N(110,1) \)に従う。(答)
\(\displaystyle Z_2 = \frac{\overline{W}-110}{1} = \overline{W}-110\)とすると、\(Z_2\)は標準正規分布\( N ( 0 , 1 ) \)に従う。
\( P ( \overline{W} \leq 108.2) = P( Z_2 \leq 108.2-110) = P ( Z_2 \leq -1.8) \)
\( P ( Z_2 \leq -1.8) = P(Z_2 \geq 1.8) \)なので、標準正規分布表から\(0.5 – 0.4641 = 0.0359\)。(答)
これは有意水準5%より小さいので帰無仮説は棄却される。(答)
(重さの平均が110gだと仮定すると、約3.6%しか起こらないこと(平均108.2)が起きてしまった。)
よって、今年収穫されるレモンの重さの母平均は110gより軽いと判断できる。(答)
ほぼ教科書レベルの問題。小数の計算には注意したいところですね。
95%信頼区間の\(\displaystyle \overline{X} – 1.96 \cdot \frac{\sigma}{\sqrt{n}} \leq m \leq \overline{X} + 1.96 \cdot \frac{\sigma}{\sqrt{n}} \)を覚えている人もいるかもしれませんが、今後は標準正規分布表で〇〇%信頼区間を読ませる(要は1.96の部分が変わる)こともあるかもしれません。
共通テスト数学ⅡB.第6問【ベクトル】
(1)
\(C\)が\(S\)上にあるとき、\( | \overrightarrow{OC} |^2 = 1 \)。
△OACと△OABが合同であるとき、対応する辺と角の大きさがそれぞれ等しいので、
\( \overrightarrow{OA} \cdot \overrightarrow{OC} =\overrightarrow{OA} \cdot \overrightarrow{OB} \)。(答)
\( \overrightarrow{OA} = (1,0,0) \)、
\( \overrightarrow{OB} = (a,\sqrt{1-a^2},0) \)、
\( \overrightarrow{OC} = (x,y,z) \)より、
\( \overrightarrow{OA} \cdot \overrightarrow{OC} = x\)、\( \overrightarrow{OA} \cdot \overrightarrow{OB} = a\)なので\(x=a\)…②。(答)
同様に△OBCと△OABも合同なので、
\( \overrightarrow{OB} \cdot \overrightarrow{OC} =\overrightarrow{OA} \cdot \overrightarrow{OB} \)。
\( \overrightarrow{OB} \cdot \overrightarrow{OC} = ax + y\sqrt{1-a^2}\)なので、
\( ax + y\sqrt{1-a^2} = a \)…③。(答)
(2)(i) \(\displaystyle a = \frac{3}{5} \)のとき、②、③より
\(\displaystyle x = \frac{3}{5} \)、\(\displaystyle \frac{3}{5} \cdot \frac{3}{5} + y\sqrt{1-\Big( \frac{3}{5} \Big)^2} = \frac{3}{5} \)。
これらを解いて、\(\displaystyle x = \frac{3}{5} \)、\(\displaystyle y = \frac{3}{10} \)。(答)
このとき、\(x^2 + y^2 + z^2 =1\)…①を満たす\(z\)が存在するか確認する。
\(\displaystyle x = \frac{3}{5} \)、\(\displaystyle y = \frac{3}{10} \)を代入すると、
\(\displaystyle \frac{45}{100} + z^2 =1\)
\(\displaystyle z^2 =1-\frac{45}{100} > 0 \)、つまり、これを満たす\(z\)はちょうど二つある。(答)
(ii) ①(\( z^2 =1 – ( x^2 + y^2 ) \))を満たす実数\(z\)がいくつあるか?は\(x^2 + y^2\)が1を超えるかどうか?による。(1より大きければ\(z\)は存在しない。1であれば一つ、1より小さければ二つ)
\(\displaystyle a = -\frac{3}{5} \)のとき、同様に解くと、
\(\displaystyle x = -\frac{3}{5} \)、\(\displaystyle y = -\frac{6}{5} \)。\( |y| > 1\)なので\(x^2 + y^2\)は1を超える。よって、①を満たす実数\(z\)は存在しない。(答)
(3) (2)(ii)の考え方で検証すればよい。②、③より、
\(\displaystyle x =a\)、\(\displaystyle y = \frac{a(1-a)}{\sqrt{1-a^2}} \)。
①より、
\(\displaystyle z^2 =1 – x^2 – y^2 = 1-a^2-\frac{a^2(1-a)^2}{1-a^2} \)
\(\displaystyle \quad = \frac{(1-a^2)^2-a^2(1-a)^2}{1-a^2} \)
\(\displaystyle \quad = \frac{2a^3-3a^2+1}{1-a^2} \)
\(\displaystyle \quad = \frac{(a-1)(2a^2-a-1)}{-(a+1)(a-1)} \)
\(\displaystyle \quad = \frac{-(2a+1)(a-1)}{a+1} \)
\(\displaystyle \quad = \frac{(1+2a)(1-a)}{a+1} \)。(答)
分母である\(a+1 >0\)なので、分子である\( (1+2a)(1-a) \geq 0 \)となることが△ABCが正三角形となる点Cがあるための必要十分条件である。
これを解いて\(\displaystyle \frac{1}{2} \leq a \leq 1 \)。\(-1 < a < 1\)より、\(\displaystyle \frac{1}{2} \leq a < 1 \)。(答)
座標空間におけるベクトルだが、ベクトルよりも方程式が実数解をもつかどうか?の検証がメインの問題。
\(x^2 + y^2 + z^2 =1\)を満たす実数\(z\)は「\(1 – ( x^2 + y^2 ) \)が0と比べてどうか?」=「 \( x^2 + y^2 \)が1と比べてどうか?」によることに気づけばOK。日頃から2乗した形の方程式が実数解をもつか?ということに気を払っていれば解けます。
そこまで複雑な計算はありませんが、分数が絡んでくるのと、最終的に3次式の因数分解、\(a\)の係数がマイナスの二次不等式を解かないといけないので、雑に解いていると足元をすくわれる可能性があります。
共通テスト数学ⅡB.第7問【複素数平面】
(1) \( \alpha = 3+2i\)、\(\beta = 7\)、\(\gamma = 7 + 10i\)のとき、
\( \gamma – \alpha = 4 + 8i \)
\( \beta – \alpha = 4 – 2 i \)。(答)
\(\displaystyle \frac{\gamma – \alpha}{\beta – \alpha} = \frac{4+8i}{4-2i} = 2\cdot \frac{1+2i}{2-i}\)
\(\displaystyle \quad = 2\cdot \frac{(1+2i)(2+i)}{(2-i)(2+i)}=2\cdot \frac{5i}{5} = 2i \)。(答)
偏角は\(\displaystyle \frac{\pi}{2}\)。(答)
(2) \(w\)の偏角が\(\displaystyle \frac{\pi}{2}\)または\(\displaystyle \frac{3}{2}\pi \)のとき、\(w\)は純虚数となる。(答)
このとき、\(w + \overline{w} = 0\)(\(w = -\overline{w}\)と覚えている人もいるかも。\(w = ai\)と置けばすぐに示せる性質です)。(答)
(3) (i)(…最初は省略…)
\(\displaystyle 2 + \frac{2}{z} + \frac{2}{\overline{z}} = 0\)
\( z\overline{z} + \overline{z} + z = 0 \)
\( (z+1)\overline{z} + z = 0 \)
\( (z+1)\overline{z} + z+1 = 1 \)
\( (z+1)(\overline{z} + 1) = 1 \)
\( (z+1)(\overline{z + 1}) = 1 \)
\( |z+1|^2= 1 \)
\( |z+1|= 1 \)。(答)
コレを図示すると次のようになる。
(ii) \(\alpha\)、\(\beta\)、\(\gamma\)をそれぞれ\(-1\)倍した \(-\alpha\)、\(-\beta\)、\(-\gamma\)で考えると、
\(\displaystyle \frac{(-\gamma) – (-\alpha)}{(-\beta) – (-\alpha)} = \frac{\gamma – \alpha}{\beta – \alpha}\)なので、点\(z\)を平面上に図示すると(i)と同じになる。(答)
(iii) 点\(z\)に対して、点\(-z\)は原点対称な点。また、今回は\(-z\)を図示すると(i)と同じになる。(\(z\)が0,2,-2でない複素数なら、\(-z\)も0,2,-2でない複素数。)
つまり、点\(z\)は(i)の図形を原点対称に移動した図になる。(答)
今回は2次曲線なし。2次入試レベルの複素数平面の演習をしっかりつんでいればそこまで難しくはないです。
ただ、この1月までのタイミングで(3)(i)がサクッと解けるくらいの複素数平面の演習をつんでいるか…というと正直厳しいかもしれません。
最後((3)(ii)(iii))もガチンコ計算してもいいですけど…\(-1\)倍したり、置き換えたりしたときに、条件や複素数平面上の点がどのように移動するか、を考えればラクです。でも、かなり複素数平面に慣れてないと思いつきません。
2025共通テスト「数学ⅡBC」解説まとめ
2025年共通テスト「数学ⅡBC」の解説でした。
新課程で初めての共通テストだったので、やや簡単だったかな、という感じですが、今後の共通テストの方針が見えるメッセージ性のある問題が多かった印象です。