解と係数の関係とは?【意外な使い方と三次方程式の解と係数の関係まで】

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解と係数の関係は、読んで字のごとく「二次(or三次)方程式の解とその係数の関係式」です。

この解と係数の関係…基本的な問題ならいいのですが、他の分野の問題の応用問題などで急に出てきたりします。

この記事では、解と係数の関係について、その使い方を徹底的に解説していきます。

目次

解と係数の関係とは?

たろぅ

んー…意外と難しい…。すぐわかると思ったんだけど…。

はなこ

ん?どしたの?

たろぅ

いや…なんかさっき、せんせいにすれ違いざまに問題出されたんだよね。「次の授業で当てるから」って言われて…ほんと、こういうのやめていただきたいですね。パワハラなんじゃないですかね。

はなこ

まぁ、たろうくんがどうなろうと知ったこっちゃないけど、どんな問題なの?

たろぅ

(アレ?ひどくない?)…いや、この問題なんだけどさ…。

「足して6」「掛けて4」になる2つの数ってなーんだ?

はなこ

…。(ん?)

たろぅ

足して6…。いや、掛けて4…になる数の組み合わせのほうが簡単か…と思って色々試してるんだけど、全然見つからないのよ…。

というわけで、解と係数の関係です。

実はこの問題は解と係数の関係を使った定番問題なんですが、急に出されると結構解けなかったりします。

まずは解と係数の関係の確認ですが、二次方程式の解と、その二次方程式の係数には以下のような関係があります。

解と係数の関係(二次方程式バージョン)

二次方程式\(ax^2 +bx + c =0\)(\(a \neq 0\))の解を\(\alpha\)、\(\beta\)とすると、

\( \begin{cases}
\displaystyle \alpha + \beta = -\frac{b}{a} \\
\displaystyle \alpha \beta = \frac{c}{a}
\end{cases} \)

が成り立つ。

証明はコチラ

二次方程式\(ax^2 +bx + c =0\)が\(\alpha\)、\(\beta\)を解にもつとすると、

\(a(x-\alpha)(x-\beta)=0\)と変形できるはず。これを展開してまとめると、

\(ax^2-a(\alpha+\beta)x +a\alpha\beta =0\)

これが元の二次方程式\(ax^2 +bx + c =0\)と一致するので、係数を比較して、

\( \begin{cases}
\displaystyle -a(\alpha + \beta) = b \\
\displaystyle a\alpha \beta = c
\end{cases} \)

よって、

\( \begin{cases}
\displaystyle \alpha + \beta = -\frac{b}{a} \\
\displaystyle \alpha \beta = \frac{c}{a}
\end{cases} \)

解と係数の関係を使う問題では、「コレは解と係数の関係を使うな」というのがわかりやすいもの「ココで解と係数の関係使うんかい!」というわかりにくい問題があります。

せんせ

ということで、解と係数の関係を使う問題を具体的に見ていきましょう。

解と係数の関係の使い方

解と係数の関係の定番問題を押さえていきましょう。

解の対称式

例1.二次方程式\(x^2-2x+3 = 0\)の2つの解を\(\alpha\)、\(\beta\)とする。次の式の値を求めよ。
(1) \(\alpha^2 + \beta^2\)
(2) \(\alpha^3 + \beta^3\)

ド定番問題です。解と係数の関係は基本対称式(2数を「足したもの」「掛けたもの」の対称式)の形をしているので、与えられた対称式を変形して、解と係数の関係で得られた値を代入する、という問題です。

(解答)

解と係数の関係より、\(\alpha + \beta = 2\)、\(\alpha\beta = 3 \)

(1) \( \alpha^2 + \beta^2 = (\alpha + \beta)^2 -2\alpha\beta \)
\( \quad = 2^2 -2 \cdot 3 = -2 \)…(答)
(2) \( \alpha^3 + \beta^3 = (\alpha + \beta)^3 -3\alpha\beta(\alpha + \beta) \)
\( \quad = 2^3 -3 \cdot 3 \cdot 2 = -10 \)…(答)

2つの解の条件から2次方程式を決定

例2.二次方程式\( x^2 -8x + k = 0\)について、次の条件を満たすように\(k\)の値を求めよ。
条件:1つの解が他の解の3倍。

これも定番です。二次方程式と、解に関する条件が与えられた場合、解と係数の関係を使うと上手くいくことが多いです。

(解答)

1つの解を\(\alpha\)とすると、他の解は\(3\alpha\)とおける。
解と係数の関係より。
\( \begin{cases}
\alpha + 3\alpha = 8 …① \\
\alpha \cdot 3\alpha = k …②\\
\end{cases} \)
①より、\(\alpha = 2\)。
②より、\(k=12\)…(答)

二数を足した値・掛けた値が与えられたとき

冒頭の例にもありましたが、「2つの数を足したとき・掛けたときの値(文字でもOK)」が与えられた場合も解と係数の関係が使えます。こちらはダイレクトに「二次方程式」とか「解」とかが出てこないのでわかりにくいです。

例3.足して6、掛けて4になる2つの数を求めよ。(冒頭の問題)

(解答)

2つの数を\(\alpha\)、\(\beta\)とすると、
\( \begin{cases}
\alpha + \beta = 6 …① \\
\alpha \cdot \beta = 4 …②\\
\end{cases} \)
解と係数の関係より、\(\alpha\)、\(\beta\)を解にもつ\(x\)の二次方程式の1つは
\(x^2 -6x + 4 = 0\)
これを解いて、\( x = 3 \pm \sqrt{5}\)。
よって2つの数は\( 3 + \sqrt{5}\)、\( 3 – \sqrt{5}\)。

もう少し詳しく…。

解と係数の関係は、

二次方程式\(ax^2 +bx + c =0\)(\(a \neq 0\))の解を\(\alpha\)、\(\beta\)とする

\(\Leftrightarrow\)

\( \begin{cases}
\displaystyle \alpha + \beta = -\frac{b}{a} \\
\displaystyle \alpha \beta = \frac{c}{a}
\end{cases} \)

というものですが、これを\(\Leftarrow\)向きに使うと、

\( \begin{cases}
\displaystyle \alpha + \beta = -\frac{b}{a} \\
\displaystyle \alpha \beta = \frac{c}{a} \\
\end{cases} \)

のとき、\(\alpha\)、\(\beta\)を解にもつ二次方程式は\(ax^2 +bx + c =0\)

となります。

これで2数を解にもつ二次方程式を作ろう!…という話なのですが…

せんせ

ただ、このままではわかりにくいです。特に\(\displaystyle \alpha + \beta = -\frac{b}{a}\)、\(\displaystyle \alpha \beta = \frac{c}{a}\)ですね。ということで、「足したもの」「掛けたもの」の値からなるべくシンプルに二次方程式を作りたいと思います。

実は2数を解に持つ二次方程式は無数にあります。

例.2数\(\displaystyle \frac{1}{2}\)、\(1\)を解に持つ二次方程式は、

・\((2x-1)(x-1)=0 \Rightarrow 2x^2-3x+1 = 0 \)

これを両辺2で割ると、

・\(\displaystyle x^2-\frac{3}{2}x+\frac{1}{2} = 0 \)

こんな感じで、=0の方程式は何を掛けても何で割ってもいいので、2数を解に持つ二次方程式は無数に作ることができます。

逆に言うと、どの二次方程式を使ってもいいのですが、一番わかりやすいのが\(x^2\)の係数\(a\)が\(1\)である二次方程式です。

\(a=1\)と決めてしまうと、先程の解と係数の関係を使って二次方程式を作る式


\( \begin{cases}
\displaystyle \alpha + \beta = -b \\
\displaystyle \alpha \beta = c \\
\end{cases} \)

のとき、\(\alpha\)、\(\beta\)を解にもつ二次方程式は\(x^2 +bx + c =0\)

となります。

せんせ

これなら、\(\alpha + \beta\)と\(\alpha \beta\)の値から方程式を作りやすいですね!

ということで、


\( \begin{cases}
\alpha + \beta = 6 …① \\
\alpha \cdot \beta = 4 …②\\
\end{cases} \)
解と係数の関係より、\(\alpha\)、\(\beta\)を解にもつ\(x\)の二次方程式の1つは
(\(x^2\)の係数を1としたときに\(b=-6\)、\(c=4\))となるから)
\(x^2 -6x + 4 = 0\)

となるわけですね。

せんせ

とにかく「2つの数を指したとき・掛けたときの値」が与えられたときには「解と係数の関係」を思い出すクセをつけましょう!

おまけ.実数条件をあわせて使う

これは解と係数の関係というよりは二次方程式に関する性質です。解と係数の関係で立式した二次方程式の文字が実数だ、という実数条件からその文字の範囲を求める、という方法です。

二次方程式の解は実数にならない可能性もある、ということは常にアタマの片隅に置いておかないといけません。

せんせ

かなりレベルの高い…というか、「実数であること」が条件となる感覚があまりないので、盲点ですよね…。「二次方程式の解は実数になるかわからない」…これは意識しておきましょう。

例4.\(k\)を正の定数とする。実数\(x\)、\(y\)が
\( \begin{cases}
x+y = k \\
xy = 3 \\
\end{cases}\)
を満たすとする。\(k\)の最小値を求めよ。

例えば、第2式から無理矢理\(\displaystyle y = \frac{3}{x} ( x \neq 0) \)として、第1式に代入すれば、\(k\)を\(x\)の関数にすることもできます…が、

\(\displaystyle k = x + \frac{3}{x}\)

となり、グラフをかいて最小値を求めようとすると数学Ⅲの微分の知識が必要になってきます。

ではどうするか?というと、\(x\)、\(y\)が実数であるという条件を使います。

この2数(文字)は「足したもの」「掛けたもの」の条件式があるので、二次方程式の解になります。そして、最初に説明した通り、その解は実数になるとは限らないわけです。

(解答)

\( \begin{cases}
x+y = k \\
xy = 3 \\
\end{cases}\)

より、解と係数の関係から、\(x\)、\(y\)は\(t\)の二次方程式\(t^2 -kt+3=0\)の解となる。

これが実数解をもたなければならないので、

(判別式\(D\))\(\geq 0\)
\(k^2 -4 \cdot 1 \cdot 3 \geq 0\)
\(k^2 -12 \geq 0\)
\(k \leq -2\sqrt{3} , 2\sqrt{3} \leq k\)

\(k > 0\)より、\(2\sqrt{3} \leq k\)。

よって\(k\)の最小値は\(2\sqrt{3}\)。

(\(k=2\sqrt{3}\)のとき、\(t^2 -2\sqrt{3}t+3=0\)より
\( (t-\sqrt{3})^2 = 0\)
\(t = \sqrt{3}\)なので、
\(x = \sqrt{3},y=\sqrt{3}\)のとき\(k=2\sqrt{3}\)となる。)

三次方程式の解と係数の関係

三次方程式にも解と係数の関係があります。

三次方程式の解と係数の関係

三次方程式\(ax^3+bx^2+cx+d =0\)が\(\alpha\)、\(\beta\)、\(\gamma\)を解にもつとすると

\( \begin{cases}
\displaystyle \alpha + \beta + \gamma = -\frac{b}{a} \\
\displaystyle \alpha \beta + \beta \gamma + \gamma \alpha = \frac{c}{a}\\
\displaystyle \alpha \beta \gamma = -\frac{d}{a}
\end{cases} \)

が成り立つ。

順番はこの通りに覚えましょう。

なんとなく2つ目の式を\(\alpha \beta \gamma=\cdots\)としたくなりますが、右辺の「係数の順番」と「上からーマイナスがつく→つかない→つく」の流れの方が重要です。

証明はコチラ

二次方程式のときと同じ流れで証明できます。

三次方程式\(ax^3+bx^2+cx+d =0\)が\(\alpha\)、\(\beta\)、\(\gamma\)を解にもつとすると、

\(a(x-\alpha)(x-\beta)(x-\gamma)=0\)と変形できるはず。これを展開してまとめると、

\(ax^3-a(\alpha+\beta+\gamma)x^2 +a(\alpha \beta + \beta \gamma + \gamma \alpha)x-a\alpha\beta\gamma =0\)

これが元の三次方程式\(ax^3+bx^2+cx+d =0\)と一致するので、係数を比較して、

\( \begin{cases}
\displaystyle -a(\alpha + \beta + \gamma) = b \\
\displaystyle a(\alpha \beta + \beta \gamma + \gamma \alpha) = c\\
\displaystyle -a \alpha \beta \gamma = d
\end{cases} \)

よって

\( \begin{cases}
\displaystyle \alpha + \beta + \gamma = -\frac{b}{a} \\
\displaystyle \alpha \beta + \beta \gamma + \gamma \alpha = \frac{c}{a}\\
\displaystyle \alpha \beta \gamma = -\frac{d}{a}
\end{cases} \)

せんせ

こちらも定番の例題をあげておきましょう。

例5.三次方程式\(x^3+ax^2+bx+10=0\)の1つの解が\(x=2+i\)であるとき、実数の定数\(a\)、\(b\)の値と他の解を求めよ。

解が\(x=2+i\)なので、代入するという方法もありますが、代入すると\( (2+i)^3+a(2+i)^2+b(2+i)+10 = 0\)を計算しないといけないので面倒です。

それよりも三次方程式の解と係数の関係を使った方がラクです。

(解答)

\(x^3+ax^2+bx+10=0\)は実数係数の方程式で、虚数解\(2+i\)をもつので、共役な複素数\(2-i\)も解となる。(補足参照)

もう一つの解を\(\gamma\)とすると、解と係数の関係より

\( \begin{cases}
\displaystyle (2+i) + (2-i) + \gamma = -a …①\\
\displaystyle (2+i)(2-i) + (2-i) \gamma + \gamma (2+i) = b …②\\
\displaystyle (2+i)(2-i) \gamma = -10…③
\end{cases} \)

③より
\( (4+1)\gamma = -10\)
よって、\(\gamma = -2\)

①より
\( 4 + (-2) = -a\)
よって、\(a = -2\)

②より
\( 5 + (2-i)(-2) + (-2)(2+i) = b\)
よって、\(b = -3\)

以上より、\(a = -2\)、\(b = -3\)、他の解\(2-i\)、\(-2\)…(答)

【補足】

解答の最初からいきなり注意事項ですが、必ず「実数係数」というのを言わないといけません。

あまり見ないですが、例えば二次方程式\( x^2 -ix -1-i=0\)などといった、実数ではない係数をもった方程式も存在します。

このとき、共役な複素数が解となるとは限らないんです。(ちなみに、上の方程式は\( \{ x-(1+i) \}(x+1) =0\)と因数分解できるので、\(x = 1+i,-1\)が解となります。)

解と係数の関係の練習問題

練習問題1-6【No.30】

問.二次方程式\(x^2 -x-1 =0\)の解を\(\alpha\)、\(\beta\)とする。次の式の値を求めよ。

(1) \(\alpha^2 + \beta^2\)
(2) \(\displaystyle \frac{\alpha}{\beta} + \frac{\beta}{\alpha} \)
(3) \(\alpha^4 + 3\alpha^3\beta + 2\alpha^2\beta^2 + 3\alpha\beta^3 + \beta^4\)

答え

(1) \(3\)
(2) \(-3\)
(3) \(0\)

練習問題1-7【No.31】

問.\(x\)の二次方程式\(x^2 -(a^3-a+6)x+a^2-3a-18=0\)が異なる2つの正の解をもつとき、\(a\)の値の範囲を求めよ。

答え

\(a > 6\)

解と係数の関係まとめ

解と係数の関係について、具体的な使用例をまとめてみました。

ダイレクトに「二次方程式」「解」などがある場合は問題ないですが、そうでない場合も解と係数の関係を使うことがあるので押さえておきましょう。

「足したもの」「掛けたもの」の組み合わせが与えられているときは要注意です!

ちょっと一息

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