【大人よ、数学を学び直すぞ】数学を勉強する意味

私は数学教員として１０年以上公立高校に勤めてきました。

東大を受験しても余裕で通るような生徒から、小学校の分数すら理解できているかどうかアヤシイ生徒まで、実に沢山の生徒に数学を教えてきました。

ですが、私の中で数学を教える際に一貫して意識していることがあります。

それは「数学を通して頭を動かす練習をし、論理の美しさが実生活の役に立つことを学び、なるほど・わかったというちょっとした感動を通して数学を楽しんでもらえれば」というものです。

巷では「大人の数学の学び直し」というものが流行っていますが、正直、続かないと思います。というか、本当の数学の価値に気づきにくいと思います。

想像してみてください。学び直しを謳っている、数学を学ぶ意味を書いていたり、数式がどう、公式がどう、というのをわかりやすく解説している本があったとしましょう。

それを自分で読んだり解いたりして「よっしゃ！数学力・思考力がついた！これは実生活に役立つぞ！」と思えるでしょうか？そうなるとは思えません。なぜなら、数学は直接実生活の役に立つわけではないからです（もちろん、統計、微分積分、ベクトル、三角関数など、直接役に立つ例もありますが、それを実生活のレベルで使うケースとしてはごく稀です）。

重要なのは、数学を解くプロセスの中に隠された思考手順だったり思考方法なのです。

そして、そこを解説している本やサイトがなかなか無いのです。でも、そこが一番数学を学ぶ上で重要で面白い部分だと考えています。

この【大人よ、数学を学び直すぞ】では、なるべくわかりやすい例題を考えながら、頭の体操をしてもらい、正しい思考方法を身につけ、ちょっとした感動を味わってもらえれば、と思います。そういう意味では「ちょっと気楽な数学エッセイ」のような感覚で読んでいただきたいです。

もちろん高校数学をベースに書いていこうと思うので、「なんで数学なんかするんだ？」と思っている高校生が「なるほど、ちょっと数学面白いかも…」と思ってくれればサイコーです。

数学を学ぶ意味

結論から言うと、私自身がこの１０年で数学を本気でやってよかった、と思っています。自分としてはかなり思考力や論理性、問題解決能力がついた、と思えるからです。

今はプログラミングをしたりしていますが、ここでも数学的思考力はかなり役に立っています。

ただ、ここで「こういうところに数学を学ぶ意味があるよ」と言っても、それは他の本やサイトがやってくれています。

【大人よ、数学を学び直すぞ】では、具体的な問題を通して「こういう問題を解くのに、こういう考え方を使う。そしてそれはこういう部分で役に立つ。」という流れを作っていきたいと思っています。

もちろん、なるべく楽しく、です。数学は楽しさが重要です。

ですので、「なんで数学の勉強なんかするんだ？意味あるのか？」という疑問をもってここに辿り着いた人には申し訳ありませんが、これからの記事の中でその答えを示していきたいと思います。

例えば、こんなものはどうでしょうか？

「マイナス×マイナス＝プラス」となる理由を説明してください。

さて、この事実は知っていると思いますが、説明できますか？まぁできなくても全然構いません。「言われてみれば、なんでだろ？」くらいの興味があればOKです。

でも、この説明の中に、実生活に役立つ思考方法がたくさん詰まっているのです。

「ちょっと気になるなぁ…」と思った人は、こちらの記事を読んでみてください。全然難しくないですよ。

まとめ

「数学を学ぶ意味」というものの答えよりは、「数学を学ぶ意味」をこう伝えていきたい、という意思表明のような記事になってしまいました。

あまり期待に沿える内容ではなかったかもしれませんが、そこは、今後頑張って数学の記事を書くことで答えていきたいと思います。