対数とは?基本的な公式と本質を説明

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対数関数は指数関数に比べて「そもそもなにこれ?よくわかんない…」という人が多いと思います。

この記事では、対数関数の基本的な公式(性質)とその本質的な意味を説明していきます。

目次

対数とは?

たろぅ

せんせい!対数ってなんですか?なんなんですか、アレ!?形も複雑だし、全く意味がわかりません!

せんせ

そうですよね。

たろぅ

む…なんですか、その「どうせお前なんかわかんないだろ?」的なリアクション。

せんせ

まぁそうじゃなくて、対数っていきなり\(\log\)とか底とか出てきて複雑だし、何してるかわかりにくいので、最初から「わからん!」ってなる人が多いんですよ。

たろぅ

なぁんだ、そうなんですね。じゃあ詳しく教えてください!

せんせ

まぁ、たろうくんがそう言ってくるのは想定済みですけどね。

たろぅ

ん?やっぱり「わかんないだろ?」って思ってました?

ということで、まずは対数の意味を説明していきます。

せんせ

それでは質問です。\(2^x=8\)のとき、\(x\)の値は?

たろぅ

そんなの簡単ですよ。\(2^x=2^3\)ですから、\(x=3\)です。

せんせ

正解です。では、\(2^x=32\)のとき、\(x\)の値は?

たろぅ

\(2^x=2^5\)ですから、\(x=5\)です。

せんせ

正解。じゃあ、\(2^x=5\)のとき、\(x\)の値は?

たろぅ

ん?あら?\(5\)は\(2^x\)の形で表せないですよね?こんな\(x\)ってないんじゃないですか?

せんせ

じゃあこの図を見てください。

対数
たろぅ

…ありますね。でもこんな値ってどう表すんですか?

そうです、この値はどうやら存在するようですが、\(2^x=5\)を満たす\(x\)の値を表現する方法がありません。ここで出てくる表現方法が対数です。

「このときの\(2^x=5\)を満たす\(x\)を、\(x = \log_2 5\)と書くようにしよう」と決めたのが対数です。

一般的な文字で対数の定義を表現すると次のようになります。

対数の定義

\(a > 0, a \neq 1\),\(c>0\)とすると、

\(a^b = M\) \(\Leftrightarrow\) \( \log_a M = b \)

ちなみに\(a\)のことを「底」といい、\( \log_a M\)の\(M\)を「真数」といいます。

せんせ

この定義、なかなか覚えにくいです。
定義を覚えるために重要なのは、
①「底」は指数も対数も同じもの。
②対数は指数部分を表す。
この2点を押さえることですね。

①指数の形、\(a^b\)の\(a\)の部分を「底」といいます。一方、対数の形、\( \log_a M\)の\(a\)も「底」といいます。当然二つは同じものです。定義を使って変形するとき「ここは同じもの」と思っておくといいです。

②そもそもの話を思い出してもらえればわかりますが(先程の例で言えば、\(2^x=5\)の\(x\)を表現する方法として\(x=\log_2 5\)という対数を定義しました。)、「対数は指数部分を表す」という意識が重要です。

つまり、さっきの定義の話で言うと「\(\log_a M\)という対数は\(a^b\)の指数部分を表す」ということです。よって、\(\log_a M =b\)(\(b\)は指数部分)となります。

対数の公式(性質)

指数について、どんな底\(a\)でも以下の式が成り立ちます。

\(a^1 = a\)、\(a^0 = 1\)

これを対数の定義を使って変形すると、真数が\(a\)、1のとき対数は次のような値になります。

真数が\(a\)(底と一致)、1のときの対数の値

  • \( \log_a a = 1\)
  • \( \log_a 1 = 0\)

また、対数の基本的な性質として、次の3つがあります。よく使うので覚えておきましょう。

  • \( \log_a bc = \log_a b + \log_a c\) … ①
  • \( \displaystyle \log_a \frac{b}{c} = \log_a b – \log_a c\) … ②
  • \( \log_a b^c = c \log_a b \) … ③

②は①とほぼ同じ証明、もしくは、①と③を使えば証明できるので、①と③の証明だけしておきます。

(①の証明)

右辺の\( \log_a b = k\)、\( \log_a c = l\)…【2式】とおく。対数の定義を使って変形すると、

\( a^k = b\)、\( a^l = c\)となります。

これらの式を両辺掛け合わせると、

\(a^k \times a^l = bc\)

\(a^{k+l} = bc \)

この式を対数の定義を使って変形すると、

\( \log_a bc = k+l\)

【2式】を使うと、

\( \log_a bc = \log_a b + \log_a c\) (終)

(③の証明)

\( \log_a b = k\)…【この式】とおきます。対数の定義を使って変形すると、

\( a^k = b\)

両辺を\(c\)乗して、

\( \{ a^k \}^c = b^c \)

\( a^{kc} = b^c \)

対数の定義を使って変形すると、

\( \log_a b^c = kc\)

【この式】を使うと、

\( \log_a b^c = c \log_a b \)(終)

対数の本質

たろぅ

んー…定義とか性質とかは、まぁわかったというか、覚えた感じですけど…。でも結局対数ってなんなのか、複雑に見えるだけでよくわかんないんですけど。

せんせ

じゃあ、対数の本質について説明しましょうか。

結論から言うと、先ほど説明した通り、対数の本質は「指数部分」です。

例えば、\( \log_a bc = \log_a b + \log_a c\)という性質についても、

\(b \times c\)の指数部分は\(b\)の指数部分と\(c\)の指数部分を足したもの

と読み替えることができます。これは後述する指数法則を、対数の形で言い換えたものになります。(上の説明は若干言葉足らずですが、対数は指数部分の話をしているんだ、というところが掴めればOKです。)

また、指数法則を思い出してくれたらわかるのですが、掛け算・累乗の計算は、指数部分の足し算・掛け算で計算することができます

指数法則

  • \( a^m \times a^n = a^{m+n}\) ←掛け算が、指数部分の計算で言うと足し算に変換される。
  • \( (a^m)^n = a^{mn}\)←累乗が、指数部分の計算で言うと掛け算に変換される。

つまり、対数(=指数部分)で考えることで、掛け算を足し算に、累乗を掛け算に変換することができ、計算が容易になります。

ここでは詳しく触れませんが、対数を使えば「\(2^{100}\)は何桁の数?最高位の数はいくつ?」などという問題も解くことがでます。このように、ものすごく大きい(小さい)計算結果のおよその値を調べて把握するときに役に立ちます。

まとめ

対数関数の基本的な公式や本質的な考え方について説明しました。

公式は覚えておいてもらいたいですが、その本質である、

「対数とは、指数部分を表したものである」

ことと、

「対数計算により、(指数との橋渡しをすることで)指数計算を簡単にすることができる」

ことを押さえておいてください。

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