tomoki.dojoについて
1985年5月16日生まれ。仕事は10年以上教員をしていました。2021年度をもって退職。プログラミング学習中。趣味は美味しいものを食べること、スポーツ(バレーボールが得意)、バイクなどなど。
背景
地方の公立高校数学教諭として10年以上勤めてきました。その間、難関大学合格を目標にする生徒や数学の学習が苦手な生徒まで、幅広く学習指導を行ってきました。
しかし、様々な理由(外部リンクです)で退職しました。36歳でした。
なぜ教員を退職したのか?
詳しくは先ほどのnoteに書いていますが、簡単に言うと
教育業界の考え方・対応の遅さ・古さと、逆に教育の大事な部分を蔑ろにする風潮が嫌になったからです。
ただ、教えること自体は今だに好きですし、教育現場のことは気になります。辞めておいてこんなこというのもなんですが…。
数学の教員として
10年以上、と冒頭に書きましたが、正確には14年間高校で数学を教えてきました。
その間、ずっと勉強しては教えるの繰り返しでした。
そして教えている間、ずっと生徒のことを見てきました。
「なるべくわかりやすく」を目指して、いくつか意識してきたことがあります。
- 生徒(教わっている人)のことをよく見る・聞く
- あまり話さない
- 適切な例を出す。
「生徒のことをよく見る・聞く」のは当たり前ですが、一番重要なことです。
生徒が何がわかっていて、何がわからないのか…それによって授業の展開を変えていきます。臨機応変さが生徒の理解と信頼に繋がります。
「あまり話さない」ことも、数学においては重要かな、と個人的に思います。
数学は考える教科です。そして、考えるのは生徒です。それを邪魔してはいけない、というのが私の意見です。
もちろん、話すときは話しますが、生徒がきちんと自分の中に疑問と聞く体勢ができているか、ということが重要です。そうでなければ伝えたいことがなかなか伝わりません。
ということは、やはり生徒に題材を与えたら、あとは生徒が考える時間が重要になってきます。
「適切な例を出す」のは、なるべく数学の楽しさを伝えたいからです。
生徒のことをよく見て、適切な例・例題を出すと、知的好奇心を刺激することができます。
教科書の例題でもちょっと条件を変えてみたり、同じような分野や考え方を使うような入試問題を出したり…。
だから、あまり教科書持っていって授業したことないですね笑。教科書の内容は教えるんですが、教科書が大体頭に入ってるというのと(忘れたら生徒に見せてもらう)、生徒の理解度によって授業変えたり、例題をその場で作って出したり…。授業は生き物だと思っているので…変わった授業のやり方だったので、生徒はかなり面食らったかな、と思います。ごめんよ。
そんなふうに授業をやっていると、あることに気づいてきます…。
大体つまづくポイントは同じ
それは、大体の生徒がつまづくポイントは似ている、ということです。
もちろん個人差があるのですが、苦手にする分野やポイントは似ています。
例えば、数学Iよりも数学Aを苦手にする生徒の方が多いです。
これは、数学Aは数学Iよりも数学的な「考え方」の方を重視しているからです。
逆に、本当に数学が好きで考える方が得意だったり、面倒くさがり(←褒め言葉です。数学において「面倒くさがり」は効率化に繋がるので大事)だったりする人は数学Aの方が好きだったりします。覚えることは少ないので。
そういった「数学を教えることのノウハウ」を14年分積み重ねてきました。今でも私自身数学の勉強は続けています。
これからの高校数学はますます厳しい
話は変わりますが、2022年度高校入学から新教育課程になりました。
はっきり言って、数学的にはかなり厳しい教育課程になっているかな、と思います。
2022年共通テスト数学IAが、センター試験も通して平均点が過去最低点であったことは記憶に新しいと思います。もちろん、センター試験と単純に比較することはできません。
なぜなら、知識・処理力重視(もちろん思考力も問うていたが)のセンター試験から、知識・処理力+読解力・思考力を問う形に変わって、やるべきことが増えすぎたからです。
正直、数学を学ぶ上で本質的に何が重要か、というのを無視した形になっている、と個人的に思っています。読解力も重要ですが、それは長い文章や難解なシチュエーションを読み解く、という意味ではないはずです…。
ですが、共通テストにそのような問題が出るなら仕方がないです…。現場は対応に迫られます。
しかも、大学の二次試験は従来と形が変わっていません。これも生徒と教員の負担を増やす要因の一つです。大学側からすると、これも仕方ないのかもしれませんが…。
加えて、新課程です。教えることがかなり増えています。
これを踏まえて共通テスト→二次試験の形は…このままの状況では生徒が大変です。
あと、このブログでも解説をしていきますが「情報」も厳しいです。共通テストで新たに加えられた、という意味でも対応が大変ですが、その「情報」に対応できるように教えることができる情報教員がどれくらいいるのか…疑問です。数学的な知識も必要です。
とにかく、新課程は生徒・教員にかなりの負担を課すことになると思います。
ということで
今まで培った数学教員としてのノウハウを盛り込んだブログを作りたいな、というのが「クマの数学日記」を立ち上げたキッカケです。
数学を勉強するコツ(=数学を教えるコツ)と、数学の楽しさを少しでも伝えられれば、と思っています。数学って楽しいんですよ?
加えて、新課程についても積極的に触れていきたいと思います。
特に心配なのが新課程の「数学B・C」分野です。このあたりは早めに、しっかりと記事を増やしていきたいと思います。厳しい言い方ですが、従来の数学Bのイメージで教えていると痛い目に合うと思います。ですので、私も勉強しつつ、情報発信に努めていきたいですね。
教員を辞めて、元々得意だったプログラミングの勉強にも力を入れています。
このあたりの知識も活かしながら「情報」についての情報発信もできれば、と思います。